長期修繕計画標準様式の改訂

長期修繕計画標準様式の改訂をまとめました。(2021.12)

長期修繕計画標準様式の改訂

(策定:2008(平成20)年、改訂2021(令和3)年)

【国土交通省長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン・コメント等より】

背景

・ 2008(平成20)年に長期修繕計画の「長期修繕計画標準様式」と基本的な考え方と長期修繕計画標準様式を使用するための留意点を示した「長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント」を策定

・2020(令和2)年「マンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替え等の円滑化に関する法律の一部を改正する法律」受け、地方公共団体によるマンション管理適正化の推進や、マンションの管理計画認定制度が創設されることともに、社会経済情勢の変化や、設備や工法等の技術革新の状況を反映することを目的として、2021(令和3)年「長期修繕計画標準様式」及び「長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント」の内容を見直し(マンションの修繕積立金に関するガイドラインも合わせて改訂)

1.      マンションの管理計画認定制度と長期修繕計画との関連

認定基準
(4) 長期修繕計画の作成及び見直し等
長期修繕計画が「長期修繕計画標準様 式」に準拠し作成され、長期修繕計画 の内容及びこれに基づき算定された修 繕積立金額について集会にて決議されていること
長期修繕計画の作成又は見直しが7年 以内に行われていること
長期修繕計画の実効性を確保するため、計画期間が 30 年以上で、かつ、残 存期間内に大規模修繕工事が2回以上 含まれるように設定されていること
長期修繕計画において将来の一時的な修繕積立金 の徴収を予定していないこと
長期修繕計画の計画期間全体での修繕 積立金の総額から算定された修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと
長期修繕計画の計画期間の最終年度に おいて、借入金の残高のない長期修繕 計画となっていること

その他

都道府県等マンション管理適正化指針に照らして適切なものであること

【※⑤の補足】

長期修繕計画の計画期間全体での修繕積立金の総額から算定された修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと

・修繕積立金ガイドラインを基に設定する水準を下回る場合は、専門家からの修繕積立金の平均額が著しく定額でない特段の理由がある旨の理由書

・計画期間全体での修繕積立金の総額から算定された修繕積立金の平均額が、「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」で示す金額の目安を設定する際に参考とした事例の3分の2が包含される幅の下限値を上回っていること

2.      長期修繕計画標準様式の主な見直しの内容

①     望ましい長期修繕の計画期間として、現行のガイドラインでは25年以上としていた既存マンションの長期修繕計画期間を、新築マンションと同様、大規模修繕工事2回を含む30年以上とする。

②     大規模修繕工事の修繕周期の目安について、工事事例等を踏まえ一定の幅を持たせた記載とする。

※ 現行のガイドラインの参考例:外壁の塗装塗替え:12年 → 12~15年、空調・換気設備の取換:15年 → 13~17年など

③     社会的な要請を踏まえて、修繕工事を行うにあたっての有効性などを追記。

・マンションの省エネ性能を向上させる改修工事(壁や屋上の外断熱改修工事や窓の断熱改修工事等)の有効性。

・エレベーターの点検にあたり、国土交通省がH28年2月に策定した「昇降機の適切な維持管理に関する指針」に沿って定期的に点検を行うことの重要性。

3.      長期修繕計画の構成(例)と長期修繕計画標準様式

【長期修繕計画標準様式の使い方】

・長期修繕計画は、標準様式を参考として作成します。

・標準様式では、一般的な仕様の中高層の単棟型マンションを想定しています。マンションには様々な形態、形状、仕様等があるうえ、立地条件も異なっていることから、これらに応じた適切な長期修繕計画とするため、必要に応じて内容を追加して使用します。

長期修繕計画の構成(例)長期修繕計画標準様式弊社書式
表紙 -表紙、改訂履歴
長期修繕計画の見方別表 長期修繕計画、基本的な考え方、周期表
1 マンションの建物・設備の概要等
(1) 敷地、建物の概要
(2) 設備、附属施設の概要
(3) 関係者
(4) 管理・所有区分
(5) 維持管理の状況
(6) 会計状況
(7) 設計図書等の保管状況
様式第1号 マンションの建物・設備の概要等1. 計画の概要
2. マンションの建物・設備の概要等
2.1.敷地、建物の概要
2.2.設備の概要
2.3.設備の概要
2.4.関係者
2.5.管理・所有区分
2.6.維持管理の状況
2.7.会計状況
2.8.設計図書等の保管状況
2 調査・診断の概要
(1) 劣化の現象と原因
(2) 修繕(改修)方法の概要
様式第2号 調査・診断の概要4.建物の現況と修繕方法の概要
4.1. 建物、外構
4.2. 給水設備等
4.2.1. 給水設備
4.2.2. 排水設備
4.2.3. ガス・空調換気設備
4.3. 電気設備
4.4. 防災・防犯設備
3長期修繕計画の作成・修繕積立金の額の設定の考え方
(1) 長期修繕計画の目的
(2) 計画の前提等
(3) 計画期間の設定
(4) 推定修繕工事項目の設定
(5) 修繕周期の設定
(6) 推定修繕工事費の算定
(7) 収支計画の検討
(8) 計画の見直し
(9) 修繕積立金の額の設定
様式第3-1号
様式第3-2号
長期修繕計画の作成・修繕積立金の額の設定の考え方
推定修繕工事項目、修繕周期等の設定内容
3. 長期修繕計画
3.1.長期修繕計画の作成・修繕積立金の額の設定の考え方
3.1.1. 長期修繕計画の作成の考え方
3.1.2. 修繕積立金の額の設定の考え方
3.1.3. 長期修繕計画と修繕実施計画との関係
3.1.4. 長期修繕計画の構成と書式の概要
3.1.5. 修繕計画策定の効果
3.1.6. 実行上の留意事項
4 長期修繕計画
(1) 長期修繕計画総括表
(2) 収支計画グラフ
(3)長期修繕計画表
(推定修繕工事項目別、年度別)
(4) 推定修繕工事費内訳書
様式第4-1号 長期修繕計画総括表
様式第4-2号 収支計画グラフ
様式第4-3号
長期修繕計画表(推定修繕工事項目(小項目)別、年度別)
様式第4-4号 推定修繕工事費内訳書
5.推定修繕工事項目、修繕周期等の設定内容
5.1.中・長期修繕計画表
5.1.1.構成の概要
5.1.2. 計画表
5.2. 修繕積立金
5.2.1. 資金運用の基本的な考え方
5.3. その他維持管理上の留意事項
5.3.1. 改修・修繕記録及び図面等の整備
5.3.2. 専有部分・専用使用部分の改修等
別表1長期修繕計画総括表
別表2収支計画グラフ
別表3部屋タイプ別修繕積立金
別表4長期修繕計画表(含内訳書)
5修繕積立金の額の設定様式第5号 修繕積立金の額の設定別表5修繕積立金の額の設定
参考:修繕履歴