エレベーターの適切な維持管理と戸開走行防止について

(2025/4/7)

国土交通省よりエレベーターの適切な維持管理と戸開走行防止について(令和7年3月18日)より周知案内

概要

宮城県仙台市内の共同住宅(2000年竣工)で発生したエレベーター事故(令和6年1月)について、国土交通省の昇降機等事故調査部会が再発防止を目的に調査した結果をまとめたものです。エレベーターが着床した際にブレーキが作動せず、エレベーターから降車しようとしていた利用者がいながら、かごの戸が開いたまま上昇してしまい2名の負傷者が生じました。


事故の原因

  • ブレーキ回路の電磁接触器(BK、BKCC)の経年劣化によるON故障(ブレーキが効かない状態)
  • 戸開走行保護装置が未設置であったこと

対策

  • 戸開走行保護装置の設置促進(設置義務以前に設置されたエレベーター)
  • 製造業者へのフェールセーフ設計の周知
  • 保守点検業者への指導、所有者への部品交換の重要性の啓発

主なエレベーター関係法規の改正

エレベーター設置当時は(法令)基準を満たしていたが、その後の法改正によって基準を満たさなくなったエレベーターについては、「既存不適格」とされます。「違法」ではありませんが、現在の安全基準は満たしていない、という事を認識され必要に応じ対応をしておくことを推奨します。

  • 戸開走行保護装置UCMPの設置義務付け(平成21年(2009年)9月)
  • 地震時管制運転装置の設置義務付け(平成21年(2009年)9月)
  • 予備電源装置(UPS)の義務化(平成21年(2009年)9月)
  • 耐震基準:09耐震(平成21年9月(2009年))安全対策の義務
  • 耐震基準:14耐震(平成26年(2014年)釣合いおもりの脱落防止など

補足

  • 事故が起こった建物は、エレベーター保守の契約がPOG契約(消耗品以外の部品の修理は有償)であったが、保守点検業者から直近の保守点検での指摘はなかった。
  • 戸開走行保護装置の設置義務付け前に設置されたエレベーターであった。
  • ブレーキ回路の電磁接触器のうちBKについては製造業者がフェールセーフ設計(機械や装置、システムなどに故障や異常が発生した場合に、安全側に動作させることで、人命を危険にさらさないように設計する手法)であると誤認していたため交換目安が示されていなかった。
    BKCCについては保守点検業者が製造業者の定める交換目安(5年)を把握していなかった。

POG契約とは

POG契約の「POG」とは、”Parts” “Oil” “Grease”の頭文字をとったものです。
POG契約では、メンテナンス業者がエレベーターの装置・部品についての全面的な点検と、保守に必要な消耗品(電球・ヒューズ・リード線・オイルなど)の交換・補充が保守料に含まれています。
その反面、故障や劣化した部品の交換・修理などは保守料に含まれていないため、別途見積もりのうえで依頼することになります。

フルメンテナンス契約とは

フルメンテナンス契約でも、メンテナンス業者がエレベーターの装置・部品についての全面的な点検を行います。点検業務の内容については、POG契約とフルメンテナンス契約の間に違いはありません。
ただしフルメンテナンス契約の場合は、消耗品の交換・補充のみならず、故障や劣化した部品の交換・修理についても、月々の保守料に含まれています。

三菱電機ビルソリューションズホームページより

関連リンク